変な妄想の話
例えば、こんな具合。ちょっとした知り合いの可愛らしい女の子(架空)が、実は僕のことが好きで、その想いを焦がしている。けれども僕に恋人が居ることを知り、切ない気持ちでその恋をあきらめる……そんな展開があったら、なんか嬉しいだろうな、と。
いや、自分で読んでも「何様!? 気持ち悪っ!」と思うし、そもそも僕には付き合っている素敵な彼女がいて、彼女に関してひとつの不満もないし、今の生活にとても満足している。今書いた妄想も、実際にそうなって欲しいと具体的に思っているとかっていうのでは全くなくて、本当にちょっとした妄想として、ふと思ったりするだけということに過ぎない。
多分、基本的な自尊心みたいな問題なのだろう。だいたいは興味がないつもりでいるけれども男ならやっぱり「モテる男」に対する憧れはなんとなくあるのかもしれない。それに人間、本当に基本的な次元の問題として、褒められたり好意を持たれたりしたら嬉しいものだと思う。
「そもそもお前、女性と関わる機会すらないだろ」とか「自分の冴えなさを鏡で確認したまえ」とか周囲から声が飛んできそうだけど、その辺のことは先刻承知。現実ではないことだからこそ妄想なのだ。
あとは、自分がナンパをしたら100回中何回成功するのだろう、とか、ジャニーズのアイドルとしてデビューさせてもらえる機会があったらファンはつくのだろうか、とか、そんなことを考えることもある。
くり返すようだけれども、実際にナンパをしたいわけではないし、アイドルになりたいわけではない(人前に出たいタイプとは真逆の性格)。自分がもしもそういう状況だったらどうなのか、というある種の思考実験みたいなものだ。モテたいと現実的に思っているわけではない。ただそういうことをふっと妄想するときがあるというだけ。
ちなみに、妄想を現実と混同していることを勘違いと呼ぶなら、経験的に、男には勘違いは多いと思う。男は自分を現実より2倍男前だと思っていて、現実より3倍有能だと思っている。そんな気がする。



